相続放棄をするときに問題となるのが、「利益相反」です。 誰と誰の利益が相反するかといいますと、未成年者である子とその父母です。
未成年者の相続放棄については、親権者がかわりに行うこととされています。
相続人が、母と子だった場合、母親が相続放棄をしているのであれば、子供の相続放棄を母親が行うことはできます。
しかし、相続人の母親が相続するのに、その子供については相続放棄する、というようなことはできません。
亡くなった方の財産と借金を見ても借金の方が多かったので、子のために良かれと思ってやったとしても、家庭裁判所は形式面で判断するために、
利益相反の問題が問われることになります。
ですから、この場合に限り、親にかわって未成年者の相続放棄を進める人を決めます。
この相続放棄を進める人を「特別代理人」といい、相続放棄をすすめることについて裁判所の許可をもらいます。
ちなみに特別代理人の候補者については、未成年者と利害関係がなければ基本的には誰でも構わないそうで、
基本的に申立をする側が選びます。
どんなひとが選ばれているかといいますと、未成年者のおじおば、祖父母などが選ばれる事が多いようです。
ちなみに、未成年者がひとりで相続放棄ができるのか、と言いますと、
およそ12歳以上で「事理弁識能力(自己の行為の結果を弁識するに足りる精神的な能力)」があれば出来るとされてはいますが、
家庭裁判所の事務の取り扱いで特別代理人を選任することとなっています。
家庭裁判所次第では、受理してくれないということもありますので、未成年者の相続放棄については、特に注意が必要と言えます。
このような申し立ても当事務所で引き受けておりますので、 未成年者の子供に放棄をさせてやりたいと思われている方も、お気軽にご相談ください。